カーナビにCDをセットしても録音が進まない、あるいは曲名が反映されないトラブルには、明確な技術的要因が存在します。自動車電装の現場取材やユーザーサポート窓口に寄せられる相談事例を分析すると、問題の約8割は次の3点に集約されます。
第1に、曲名取得データベース「Gracenote」の世代ズレです。カーナビは内蔵された楽曲データベースとCD固有の信号(TOC情報)を照合してタイトルを自動付与しています。カーナビの製造時期より後に発売された新譜CDを挿入した場合、内部データベースに情報が存在しないため「Track 01」「NO TITLE」といった表記になります。これを解決するには、テザリング通信や専用アプリ、あるいはSDカード経由でカーナビのタイトル情報更新を実行しなければなりません。
第2に、CD-RやCD-RWなどの自作メディアに対する認識制限です。パソコンで作成した音楽CD-Rをカーナビが読み込まない場合、ディスク作成時の「ファイナライズ処理(セッションクローズ)」が行われていないケースが目立ちます。さらに、SCMS(シリアルコピーマネジメントシステム)によるデジタルコピー制限が作動し、二重録音を防止するプロテクトによってカーナビでCD録音ができない状態に陥る設計仕様も関係しています。
第3に、保存先ストレージ(内蔵HDD/SDカード)の物理的・論理的エラーです。特にSDカードへ録音する機種では、対応規格(SDHC/SDXCの容量上限)やファイルシステム(FAT32等)がナビの仕様と合致していないと、書き込みエラーとして処理が中断されます。