日テレジェニックの歴史を語る上で欠かせないのが、番組『アイドルの穴』が残した光と影です。当時の現場取材記録や候補生たちの述懐によると、そのオーディション風景は現代の地上波では考えられないほどの極限状態でした。
「収録が始まるとカメラの前で号泣する子が続出し、舞台裏のパウダールームには常に重苦しい緊張感が漂っていた」と、当時番組に関わった制作スタッフは振り返ります。水着姿でプールに落とされるリアクション競技、容赦のないダメ出し、そしてファンの目の前で脱落者が名前を呼ばれる公開サバイバル。それらは視聴者にとって刺激的なエンターテインメントであった一方、出演する少女たちにとっては精神的な極限状態を強いるものでした。
当時のSNSやコミュニティ掲示板には、以下のようなリアルな反応が溢れていました。
「有吉さんの容赦ないツッコミに耐えて爪痕を残そうとする姿に胸を打たれた」
「推しが脱落して画面から消えたときの喪失感がつらすぎる。投票システムの課金圧が年々エスカレートしている気がする」
「水着で体を張る姿は痛々しくもあるが、昭和・平成初期のギラギラした芸能界の熱量がそのまま残っていた最後の砦だった」
ネットの噂では「出演者同士の不仲」や「出来レース説」がまことしやかに囁かれることもありましたが、実態は異なります。過酷な試練を共有した候補生同士の間には、戦友とも呼ぶべき強固な連帯感が生まれており、脱落の瞬間に抱き合って涙を流す光景は一切の計算がない剥き出しの人間ドラマでした。その熱量があったからこそ、日テレジェニックは単なるグラビア企画を超えたカルト的人気を誇ったのです。