早稲田の櫛部事件とは?箱根駅伝大失速の真相と名将への奇跡の軌跡

早稲田の櫛部事件とは?箱根駅伝大失速の真相と名将への奇跡の軌跡

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無敵艦隊と恐れられた早稲田のエースが、なぜあそこまで急激に走行不能寸前へと追い込まれたのか。長年ファンの間で諸説が飛び交いましたが、近年の本人による回顧録やメディアのロングインタビューにより、事件の真相と理由が生理学的・心理学的な観点から明確に裏付けられています。

直接的な引き金となったのは、急激な脱水症状とそれに伴う低血糖および熱中症でした。しかし、その深層には1990年代特有の根性論的な調整法と、主将としての逃げ場のない葛藤が横たわっていました。

関係者の証言や当時の取材記録によると、櫛部はレース数日前から極度の体重コントロール(減量)を行っていました。少しでも身体を軽くして自身の持つ区間記録を更新しようと試行錯誤するあまり、体内の水分とグリコーゲンが枯渇した状態でスタートラインに立っていたのです。さらに当日は1月特有の乾燥した寒風が吹き荒れる一方、快晴により直射日光がランナーの体温を奪うという過酷な気象条件でした。「喉が渇いたと感じたときには手遅れだった」と後に語られた通り、脱水により血液粘度が高まり、脳や筋肉への酸素供給が急激にストップしたことが医学的な失速のメカニズムでした。

加えて、精神的な重圧も無視できません。瀬古監督から絶大な信頼を寄せられ、「勝って当然、区間新を出して当たり前」と見なされる世論の空気。第4学年のキャプテンとして、チームの総合連覇への道を切り拓かなければならないという強烈な責任感が、身体の悲鳴にブレーキをかけることを許さず、限界を超えて走り続けた結果が中継所直前の瓦解でした。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。