彼を語る上で欠かせないのが、コロナ禍の『news every.』で見せた「呼びかけ」の数々だ。外出自粛に苦しむ市民へ向けて放たれた言葉は、過剰な批判や不安が渦巻く社会において、一筋の清涼剤となった。あの時に見せた「共感」の姿勢は、フリーとなった今も彼のアナウンス理論の根幹をなしている。
近年、生成AIの進化によって原稿の要約や人工音声によるニュース読み上げが容易になった。しかし、彼の語りには機械では絶対に代替できない「人間の血の通った温もり」がある。感情に流されるのではなく、客観的な事実の上に人間の温かな視点を重ねる技術こそが、彼の真骨頂だ。