小栗の交友関係において、もう一人忘れてはならないキーパーソンが綾野剛だ。まだ世間にその才能が見出される前からの知己であり、互いの苦悩や葛藤を誰よりも近くで見つめてきた間柄である。
かつて彼らは深夜の居酒屋や自宅で、朝を迎えるまで芝居について語り明かしたという。「どう演じるか」ではなく「どう生きるか」。表現者としての青く切実な問いをぶつけ合い、切磋琢磨を重ねた経験が、現在の二人の揺るぎない演技力につながっている。作品へのオファーがあれば真っ先に相談し合い、役の解釈について激論を交わす。そこには甘えのない、プロフェッショナル同士の過酷で温かい絆が存在する。