草薙の剣を語る上で外せないのが、うちはイタチのスサノオが携えていた霊剣「十拳剣(とつかのつるぎ)」との因縁だ。大蛇丸は作中で長年にわたり十拳剣を探し求めていたが、実は実体のない霊体としての武具であり、イタチの能力の中に隠されていた。
イタチとサスケの死闘の際、大蛇丸がサスケの体から八岐の術で出現した瞬間、十拳剣によって永久の酔夢の世界へと封印された。この劇的な決着こそ、神話におけるスサノオの八岐大蛇退治を完璧にトレースした演出である。草薙の剣は大蛇丸の野心と執着の象徴でありながら、同時に彼の敗北と因果応報を際立たせる「隠された役割」を担っていたと言える。