彼の本名であるニコラス・D・ウルフウッドという名には、あまりにも重い過去が刻まれている。身寄りのない孤児として育った彼は、幼少期に秘密組織「ミカエルの眼」によって拉致され、非道な人体実験の被験者となった。劇薬の投与によって強制的に成長させられた肉体は、驚異的な治癒能力と超人的な身体能力を得た反面、その生命を劇的に縮めるという残酷な代償を伴っていた。
月刊漫画誌を刊行する少年画報社の「ヤングキングアワーズ」で連載された原作漫画において、この設定は物語に深い影を落とす。単なるヒーローものではなく、救いのない現実に抗う男たちの姿を描いた本作は、極上のダークファンタジーとしての側面を強く打ち出していた。自分が犠牲になることで、かつて暮らした孤児院の子供たちに明るい未来をもたらしたい。その一心で暗殺者としての任務を遂行する彼の姿は、読者の胸を締め付けずにはいられない。