デジタルネットワークが生活の基盤となった現代においても、渡邉さんの写真や容姿に関する検索が途絶えない現象には、ネット空間における情報の永久保存性が影響している。一度流出した画像や断片的なゴシップは消去されることなく、アルゴリズムの海を漂い続ける。
事件を知らない若い世代にとっても、ウェブ上の記事や動画を通じて「ショッキングな過去のミステリー」として消費される側面がある。だが、写真のレンズの向こう側にいたのは、葛藤しながら必死に生き、そして理不尽に命を奪われた生身の人間である。属性や容姿で他者をラベル貼りし、消費する社会の視線は、形を変えて現代のネット空間にも色濃く受け継がれている。