2010年代のスクリーンを独占したスーパーヒーロー映画の無敵神話も、大きな曲がり角を迎えている。劇場を訪れる観客の間では、定型化したプロットや不自然な視覚効果に対する冷めた評価が定着しつつある。
マーベル・スタジオが築き上げたシネマティック・ユニバースの成功は、世界中のスタジオの手本となった。しかし、作品の公開ペースが加速するにつれ、1本あたりの制作現場に注がれる時間と熱量は削ぎ落とされていった。
かつては映画賞や批評家から絶賛されたこのジャンルも、近年ではVFXの不備や強引な展開がSNS上で批判の標的となるケースが増えている。ストーリーテリングと映像美の双方における質の低下が、ファンの満足度を著しく下げた事実は否めない。