人間の耳垢には、カサカサに乾いた「乾性耳垢(かんせいじこう)」と、キャラメル状にしっとり湿った「湿性耳垢(しっせいじこう)」の2種類が存在します。この違いを決める最大の要因は、耳の穴(外耳道)にある分泌腺であるアポクリン汗腺の密度の違いです。
アポクリン汗腺から分泌される脂質やタンパク質を多く含む分泌液が、剥がれ落ちた角質や皮脂と混ざり合うことで、ねっとりとした湿った耳垢が形成されます。分泌液そのものは本来無臭ですが、常在菌によって分解されることで特有のにおいが生じることもあります。
世界的に見ると湿性耳垢は決して珍しいものではなく、欧米白人の約90%、黒人のほぼ100%が湿性耳垢です。対して東アジア人は乾性耳垢が圧倒的多数を占めており、日本国内における湿性耳垢の割合はおよそ16%(約6人に1人)とされています。地域差もあり、北海道や沖縄、アイヌ系・琉球系のルーツを持つ地域では湿性耳垢の比率が高くなる傾向が知られています。