アニメーション制作を手掛けるufotableの卓越した表現力は、今回のスクリーン体験においてさらなる高みへと達している。劇場版「鬼滅の刃」無限城編で繰り広げられる激闘と、その裏に潜む回想シーンのコントラストは、映像美の極致と言えるだろう。無限城という縦横無尽に歪む圧倒的な空間美学の中で、狛治と恋雪の回想シーンがどのような色彩と光彩で描写されるのか、ファンの期待は最高潮に達している。
スクリーンで明かされる最新の伏線考察として注目すべきは、戦闘のクライマックスにおける猗窩座の「再生」と「自我の崩壊」の描写だ。自らの首を切り落としながらも強さへの執着で再生しようとする肉体を止めたのは、他ならぬ恋雪の幻影と、彼女がかけた優しい一言だった。圧倒的なアクションシーンの最高峰と、静寂のなかで語られる愛の対比は、劇場の大音響と高精細映像によってかつてない没入感を生み出す。