婦人科疾患を克服した経験は、彼女が紡ぐ歌詞の奥行きやボーカルの表現力にも大きな変化をもたらした。デビュー当時に日本中を席巻したR&Bの軽快なリズムとグルーヴに加え、生の儚さや痛みを優しく包み込むような深みのあるメロディラインが顕著になっていく。
昭和の歌謡界に一時代を築いた母・藤圭子から受け継いだ情感豊かな情熱とソウルフルな歌声は、病という試練を経験したことでより層の厚い響きを獲得した。歴史的名盤『First Love』の爆発的な大ヒットに安住することなく、彼女は自身の内面にある光と影を先進的なサウンドへと昇華させ続けた。ユニバーサルミュージックとの強固なパートナーシップのもと、妥協のない作品作りを現在も重ねている。