横浜市内の分断は、単なる地価の差だけではない。地元民の間で古くから燻る「本当のハマっ子とはどこを指すのか」という不毛で熱狂的な議論だ。歴史的に見れば、開港時の横浜村を中心とする中区・西区・南区周辺の住人こそが「生粋のハマっ子」を自負する傾向が強い。
一方で、1960年代以降の人口急増期に旧港北区や旧戸塚区などから分区されて誕生した緑区、都筑区、瀬谷区、泉区などの内陸・郊外エリアに対しては、一部の古参住民から「あれは横浜ではなく相模原や大和の延長だ」といった辛辣な視線が向けられることがある。こうした新旧住民の意識のズレが、行政区に対するコンプレックスや過剰な反発心を水面下で煽り続けている。