ボートレースの現場において、まくりを巡る1マークの駆け引きは極限の心理戦です。かつてチルト3度を武器に全レース大外まくりを貫いた阿波勝哉選手や、卓越した旋回スピードを誇るトップレーサーたちの手記や特番インタビューでは、スリット通過時の生々しい感覚が語られています。
「スリットで半艇身覗いた瞬間、内側の選手の視線やボートの構えで『張ってくるか、差させてくれるか』が直感で分かる。コンマ01秒の躊躇が命取り。外を回すと決めたら、艇がバウンドしようが握りっぱなしでハンドルを入れるしかない」(現場取材および特別対談より)
また、現代の艇界において「まくり」と双璧をなす「まくり差し」のスペシャリストたち(峰竜太選手、白井英治選手、茅原悠紀選手など)は、相手がまくりを警戒して外へ開いた一瞬の隙を見逃さず、吸い込まれるように内側の狭い航路を切り裂きます。SNSやボートレースコミュニティでも「1号艇が飛ぶ(着外に落ちる)スリリングなレースこそ競艇の真髄」と熱狂的に語られる通り、まくりとインのせめぎ合いこそが競艇最大の魅力となっています。