芸能界において、モノマネは時として本人とのトラブルや軋轢を生むリスクを孕んでいます。しかし、IKKOさんが松尾さんに見せた対応は、業界関係者をも驚嘆させる異例の「神対応」でした。文春オンラインの単独インタビューなどでIKKOさんは、松尾さんに対して「感謝しかないの」と繰り返し語っています。当時50代後半を迎えていたIKKOさんは、松尾さんが全力でモノマネを披露してくれることで、自身のキャラクターやフレーズが10代・20代の若年層へ再浸透したことを深く恩義に感じていたのです。
その感謝の想いが具現化した象徴的な出来事が、特注の高級着物のプレゼントでした。テレビ番組の企画や楽屋挨拶で対面を果たした際、IKKOさんは松尾さんを正式に公認しただけでなく、自身が所有する超高級反物の中から選りすぐりの着物をピックアップ。大柄な松尾さんの体型に合わせてわざわざ仕立て直しを施した上で贈呈したというエピソードは、ファンの間でも伝説として語り継がれています。
この着物は仕立て代を含めると数百万円規模の価値があると推定されますが、IKKOさんにとって金額の問題ではなく、「自分の分身としてステージに立つ松尾ちゃんへの礼儀と愛情」の証でした。この惜しみないバックアップを受けた松尾さんもまた、決して対象を小馬鹿にせず、IKKOさんの上品さや華やかさを徹底してリスペクトする姿勢を貫くようになったのです。