では、なぜ知恵袋では「治った」と主張する人が存在するのでしょうか。その背景には、人間のライフステージに伴うホルモン動態と加齢による体臭の変化が深く関係しています。
まず、思春期ワキガのピーク時期は第2次性徴期にあたる12歳〜18歳頃に訪れます。この時期は性ホルモンの分泌が急激に跳ね上がり、アポクリン汗腺の活動が一生のうちで最も過敏になるため、臭いを強く自覚しやすくなります。その後、20代に入ってホルモンバランスが安定期を迎えると、汗腺の活動自体も一定の落ち着きを見せるため、「ピーク時より臭いが和らいだ=治った」と捉えてしまうのです。
さらに、40代〜50代以降になると更年期や加齢に伴い性ホルモンの分泌量が減少します。これによりアポクリン汗腺からの分泌物が減り、若い頃のような刺激臭は薄れますが、今度は皮脂の酸化による加齢臭(2-ノネナール等)が混ざり合う別の体臭問題へとシフトします。つまり、臭いの性質が変化しただけであり、汗腺の構造自体が改善したわけではありません。