小林旭と浅丘ルリ子の出会いは、日活撮影所が年間数十本もの映画を量産していた1950年代後半に遡ります。1959年に公開された『ギターを持った渡り鳥』をはじめとする渡り鳥シリーズは、無国籍アクション映画の金字塔として空前の大ヒットを記録しました。流れ者の主人公・滝伸次を演じる小林旭のワイルドな魅力と、ヒロインを演じる浅丘ルリ子の凛とした可憐さは、観客を熱狂の渦に巻き込みました。
スクリーン上での2人の息の合い方は尋常ではなく、小林旭と浅丘ルリ子の共演映画は日活時代だけで20本以上に達しました。撮影所内で毎日のように顔を合わせるなかで、自然と恋愛感情が芽生えるのに時間はかかりませんでした。当時、可憐な美貌で世の男性を魅了していた浅丘ルリ子の若い頃の画像やフィルムを見れば、小林旭が瞬く間に恋に落ちた理由は一目瞭然です。彼女は単なるアイドル的女優ではなく、芯の強さと天性の表現力を兼ね備えていました。
交際が深まるにつれ、2人は世田谷区内に居を構え、事実上の生活を共にし始めます。これが芸能史に名高い小林旭と浅丘ルリ子の同棲の真相です。当時の芸能界において、未婚の看板スター同士が同棲することは異例のスキャンダルになりかねない事態でした。しかし浅丘の父は小林の男気に一定の理解を示し、日活の現場スタッフも2人を公認の恋人同士として温かく見守っていました。撮影が深夜に及んでも互いの体調を気遣い、移動の車中や控室でも寄り添い合う姿は、誰もが「結婚は時間の問題」と受け止めるに十分な純愛そのものでした。