ローズマリーの学名や分類の歴史を紐解くと、植物学の奥深い変遷が見えてくる。18世紀の偉大なスウェーデンの植物学者カール・フォン・リンネは、その著書の中で本種を「Rosmarinus officinalis」と命名した。海のしずくを意味するラテン語に由来するこの名は、地中海の潮風を浴びながら群生する海岸沿いの風景をみごとに捉えている。
分類上、ローズマリーはバジルやミント、ラベンダーなどと同じシソ科に属する。近年、遺伝子解析技術の進化に伴い、学術的にはサルビア(Salvia)属へと統合される再分類が進んだが、園芸の世界では今なお親しみを込めてローズマリーの名で愛され続けている。茎が四角形であり、葉に多くの精油腺を持つシソ科独特の構造こそが、あの力強くも清々しい香りの源泉なのだ。