2000年代初頭、細木数子氏が出演するバラエティ番組は世帯視聴率20%超を連発し、大殺界の概念は国民的な認知を獲得しました。芸能人の結婚発表があるたびに「運命星の相性」や「大殺界の該当有無」が検証され、後に離婚したカップルに対して「やはり占いが的中した」と報じられる構図が定着したのです。
ネット上のコミュニティや知恵袋、SNSの投稿を分析すると、「大殺界に結婚して失敗した」という声の多くは、破局した理由を外部の要因に帰属させたい心理(認知的不協和の解消)が働いていることが見て取れます。一方で、大殺界中に結婚して現在も円満に暮らす一般夫婦は、わざわざ「大殺界だったが無事に続いている」と発信しないため、ネット上にはネガティブな体験談ばかりが蓄積されるという情報バイアスが発生しています。
古くから日本社会に根づく「厄年」の思想と同様に、大殺界も本来は「人生の節目における慎重さ」を促す警鐘でした。しかし、極端な商業主義やセンセーショナリズムと結びついた結果、「結婚してはならない絶対的な禁忌」として過大に解釈されてしまった経緯があります。