警察ノンキャリアとして採用された警察官は、全員が最下位の階級である「巡査」からスタートを切ります。警察内部の昇任制度において、巡査から警部までの昇進は原則として筆記・面接・実技を伴う警察ノンキャリア昇任試験の合否によって決まります。この昇任試験を受験するためには一定の実務経験年数が必要とされており、学歴によって明確に要件が区分されています。
制度上定められている最短年数と、実際の警察組織内で「最速出世コース」に乗った場合における警察階級別昇進スピードの目安は以下の通りです。
- 巡査 → 巡査部長:受験資格は大卒で2年、短大卒で3年、高卒で4年の勤務が必要。最速合格者の年齢は、大卒で24〜25歳、高卒で22〜23歳。現場の平均的な昇進年齢は20代後半から30代前半です。
- 巡査部長 → 警部補:受験資格は巡査部長昇任後、大卒で2年、短大卒で3年、高卒で4年。試験に一発合格し続けた場合のノンキャリア警部補昇進年齢は、最速で26〜28歳前後。係長級として現場捜査の主任官を務めるこの階級への平均到達年齢は、30代前半から40代前半となっています。
- 警部補 → 警部:受験資格は警部補昇任後、一律で4年の実務が必要(学歴不問)。最速昇進年齢は30代前半(32〜34歳前後)。警察署の課長や本部補佐を務める階級であり、定員枠が急激に絞り込まれるため、平均的な昇進年齢は40代半ば以降となります。
- 警部 → 警視:ここから先はペーパー試験ではなく「選考(勤務評定や実績、推薦)」による昇任に移行します。いわゆるノンキャリア警視の壁と呼ばれ、警察署長や本部主要課長を務める幹部ポストです。最速でも40代後半、一般的には50代前半から定年直前の50代後半での到達が通例です。
理論上の最短記録を並べれば30代前半で警部、40代半ばで警視への道が開かれているように見えます。しかし、これは毎年の昇任試験に初回受験で連続一発合格し、かつ勤務評定で常に最上位「特A」を取り続けた極めて稀なケースです。大半の現場警察官は、日々の激務の中で勉強時間を捻出できず、複数回の受験浪人を重ねるのが実情です。