かつてヴィム・ヴェンダースが映画監督の視点で切り取った『東京画』の残響は、形を変えて今も街を彷徨っている。高層ビルの建設ラッシュと路地裏の消失、再開発によって日々スクラップ・アンド・ビルドを繰り返すこのメガロポリスで、写真家たちは何を記録すべきなのか。
フェイク画像が氾濫する時代だからこそ、ドキュメンタリー写真が持つ「かつてそこにあった」という物質的証拠能力がかつてない輝きを放ち始めている。加工された虚構の美しさではなく、泥臭く、時に暴力的なまでの現実。定点観測された東京の皮膚感覚は、都市の記憶喪失を食い止めるための防波堤として、見る者の胸を強く締め付ける。