歩き始めてまず驚くのは、エリアごとに明確に分けられた二つの強烈な個性だ。正門側に位置する「義直ゾーン」は、初代藩主・徳川義直の堅実な気風をイメージした木造長屋風の佇まい。重厚な瓦屋根が連なる景観のなかで、老舗が守り続ける伝統の味をじっくりと味わうことができる。
対照的に、東門側に広がる「宗春ゾーン」は、七代藩主・徳川宗春の開放的で自由闊達な精神を反映したモダンな空間だ。テラス席を備えた開放的なカフェや新進気鋭の創作バルが並び、若者や外国人観光客の笑い声が響く。静と動、歴史と革新。この見事なコントラストこそが、訪れる者を飽きさせない最大の理由だろう。