政治的妥協の産物という側面以上に、鉄道技術・運行保安の観点から岐阜羽島駅には極めて重要な役割が与えられていました。それが「関ヶ原の豪雪対策」と「列車待避機能」です。
東海道新幹線の最大の弱点とされる関ヶ原エリアは、冬季になると激しい降雪に見舞われます。高速走行する車両の台車に着雪した雪塊が落下し、バラスト(敷石)を跳ね上げて車体や設備を損傷させるリスクが常に存在します。岐阜羽島駅は、豪雪地帯へ突入する直前、あるいは脱出した直後の列車集中コントロールおよび除雪・待避拠点として設計されたのです。
ホーム構造を見ても、本線2線に加え、上下線にそれぞれ島式ホーム2面4線、さらには多数の側線(留置線)を備えた堂々たる設備を誇ります。臨時列車の折り返しや異常気象時の運行整理において、岐阜羽島駅は現在に至るまで東海道新幹線全体のダイヤ安定を支える「安全弁」として機能し続けています。