2024年4月19日、5人が連名で発表した「株式会社嵐」の設立は、日本のエンターテインメント業界における歴史的なコーポレート・アクションでした。代表取締役には、数多くの芸能人・クリエイターの権利擁護を手がけてきたエンターテインメント法務の第一人者である四宮隆史弁護士が就任しました。
なぜ彼らは、個人が独立していく渦中でグループのための法人を立ち上げたのでしょうか。背景には3つの構造的要因が存在します。
- 知的財産権(IP)の防衛と自立的行使:旧ジャニーズ事務所の解体に伴い、過去の楽曲カタログ、映像アーカイブ、商標権の取り扱いがSTARTO ENTERTAINMENTへ移行する中で、グループに関する権利行使の主導権をメンバー自らの手に握る必要性があった。
- 所属形態がバラバラになった5人を繋ぐ法的器:独立組(二宮・松本)、エージェント組(櫻井・相葉)、休業組(大野)という、異なるマネジメント形態の受け皿として機能するプラットフォームが不可欠だった。
- 「自分たちの未来を自分たちで決める」という意思表明:事務所主導の受動的な再結成ではなく、5人が対等な株主・役員として、活動再開の時期や興行形態を自律的にジャッジする体制の確立。
四宮代表はメディアの取材に対し、「5人のメンバーが主体となり、ファンと直接向き合うための会社である」と明言しています。グループの屋号を法人化し、メンバー全員が取締役としてコミットする形態は、解散を回避しつつ無期限の活動休止期間を乗り越えるための、極めて高度な法的防衛策でした。