春風とともに丘一面を埋め尽くす約530万本のネモフィラ。丘全体が淡いブルーに染まり、空の青と海の青がシームレスにつながる光景は、まさに奇跡と呼ぶにふさわしい。開花は例年4月中旬から5月上旬にかけてピークを迎えるが、気候の変動によって「真の満開」のタイミングは毎年微妙に前進・後退を繰り返している。
現地を幾度も取材して見えてきたのは、「7分咲き」の段階こそが最も鮮烈な発色を見せるという知られざる事実だ。完全に咲ききった満開期は遠目には豪華だが、近づくとわずかに色あせた花びらが混じり始める。緑の茎と鮮烈なコバルトブルーが最も力強く拮抗するタイミングこそ、写真愛好家たちが息を潜めて狙うベストな瞬間なのだ。