寺院と大根。一見すると不思議な組み合わせだが、そこには江戸時代から続く深い精神的な背景がある。ここで祀られている大聖歓喜天(聖天様)は、あらゆる願いを叶える圧倒的な霊験を持つとされる一方、人間の心にある迷いや怒り、欲望といった「毒素」を嫌うとされる。
大根はその優れた消化・解毒作用から、体内の毒を洗い流して心を清らかにする象徴として捧げられてきた。また、二股に分かれた大根は夫婦和合や良縁、無病息災を意味する。朝の澄んだ光が差し込む本堂で、白い大根が祭壇に並ぶ光景はどこか神聖で、訪れる者の胸を打つ。