彼の凄みは、単なる「行政官」の枠に収まらない先進的なビジョンにあった。郵便制度の創設にとどまらず、電信事業の立ち上げ、海運会社の設立支援、さらには早稲田大学の前身である東京専門学校の校長を務めるなど、その活動領域は多岐にわたる。
特に驚くべきは、自ら「漢字御廃止之議」を提出し、国民の識字率向上と情報流通のスピード化を図ろうとした点だ。複雑な漢字を排し、平仮名教育を推進することで、誰もが情報にアクセスできる社会を作ろうとした。この苛烈なまでの合理主義と教育への情熱こそが、日本の近代化を爆発的に加速させた原動力であった。