坂口家のルーツを語る上で欠かせないのが、父親である坂口征二の存在です。全日本柔道選手権で優勝を果たし、新日本プロレスではアントニオ猪木の黄金タッグパートナーとして一時代を築いた巨星を父に持ったことは、兄弟にとって誇りであると同時に、計り知れないプレッシャーでもありました。
坂口家の家族構成は、父・征二と母・利子さん、そして長男の征夫、次男の憲二を中心とする家庭です。幼少期から父の背中を見て育った二人は自然と柔道に親しみ、礼儀作法や勝負の厳しさを叩き込まれました。体躯に恵まれた父の遺伝子は確かに二人に受け継がれていましたが、父が偉大すぎるがゆえに、兄弟はそれぞれ別の形で自分のアイデンティティを探すことになります。
幼い頃の征夫は腕白で負けん気が強く、憲二は明るく人を惹きつける天性の華を持っていました。性格は対照的でありながら、柔道の稽古や家庭での生活を通じて培われた互いへの敬意は、大人になってからも揺らぐことはありませんでした。