サッカーのワールドカップ予選や国際総合競技大会を観戦していると、ある違和感に気づく。ペルー代表チームのユニフォーム胸元には紋章が入っているのに、観客席のサポーターが振っている旗には何も描かれていない。この現象は決して印刷ミスでも偽物でもない。
ペルーの法律において、中央に「盾の紋章(Escudo de Armas)」が配置されているものは、政府・行政機関・軍事施設・外交公館などが使用する「Pabellón Nacional(パベヨン・ナシオナル=政府旗)」と定められている。一方、赤・白・赤の3本の縦ラインのみで構成されるシンプルなデザインは「Bandera Nacional(バンデラ・ナシオナル=民用旗)」と呼ばれ、一般市民や民間企業、学校などが掲揚する際に用いられる。
つまり、国際スポーツ大会の現地でファンが手にしているのは正真正銘の民用旗であり、選手たちが背負う公式な代表シンボルには政府旗の紋章があしらわれているというワケだ。