早くも業界内から熱い賛辞が寄せられている。国際的な評価を受ける映画監督の是枝裕和氏は、本作のラッシュ映像を鑑賞した際、その冷徹な眼差しと濃密な人間描写に強い感銘を受けたと語る。
「自然という制御不能な暴力の前に立たされたとき、人間が保ってきた理性の皮膜がいかに脆く剥がれ落ちるか。『魚虎』が描くのはモンスターの恐怖ではなく、私たち自身の内奥に潜む飢餓感そのものだ」と是枝監督は指摘する。生態系の頂点に君臨する生物の姿を通じて、現代社会における弱肉強食の残酷さと家族の解体を鋭く抉り出した視線こそが、本作の真骨頂と言えるだろう。