から揚げのトレンドを知り尽くす一般社団法人日本唐揚協会の専務理事・八木宏一郎氏は、近年の冷食から揚げの進化を「専門店の職人技を量産ラインで完全再現した技術的奇跡」と位置づける。揚げる油の温度管理から衣の水分コントロールに至るまで、熟練のノウハウを数値化し、高度に制御された工場で形にする技術は世界屈指だ。
八木氏は、専門店ブームによって消費者の舌が肥えたことこそが、メーカー各社の開発意欲に火をつけたと指摘する。単に柔らかいだけでは通用しない。肉本来の力強い弾力、噛み締めたときの上質な脂の旨み、そして衣のクリスピー感という多層的な体験が、現在のヒットを生み出す必須条件となっているのだ。