やがて、熱狂の裏で肉体は悲鳴を上げていた。連日の過激なアクションによって腰椎すべり症や激しい熱中症を経験した彼は、消耗戦のような地上波テレビの出演を意図的にセーブする決断を下す。一見すると人気の後退に映るこのシフトこそ、現代的なプラットフォーム戦略の先駆けだった。オフィシャルファンクラブの設立に加え、公式動画配信サイト「274ch.」やYouTube、さらにHuluなどの動画配信プラットフォームを主戦場へと定めたのである。
ドラマ主演を果たした『ふなっしー探偵』のような挑戦を経て、彼はマスメディアの都合で消費されるタレントから、熱量の高いコアファンと直接結びつくD2C(Direct to Consumer)型のアーティストへと脱皮した。マスに向けた無料の露出を減らし、クローズドな空間で高品質なコンテンツを提供するこの手法により、メディアの流行り廃りに左右されない強固な収益基盤と活動の自由度を確立したのだ。