歴代のプロモーションの中でも、いまなお語り草となっているのが、俳優の高橋一生と二階堂ふみを起用したショートフィルム『Laundry Snow』である。とあるコインランドリーを舞台に、2人が織りなす切なくも温かいファンタジックな物語は、単なる商品説明の枠を遥かに飛び越え、観る者の心に深い余韻を残した。
当時の化粧品産業において、製品のスペックや効果効能を前面に押し出す従来型コマーシャルが主流だった中、映画のような世界観で情緒価値を提示したこの試みは画期的であった。雪の結晶が舞い落ちるような儚さと、2人の繊細な演技がブランドの持つ透明感やストーリー性と共鳴し、消費者の購買動機を「機能への納得」から「世界観への愛着」へと劇的にシフトさせたのである。