不動産業において、公園に隣接する物件は長年「手堅い資産」と位置づけられてきた。大手不動産ポータルのSUUMOやLIFULL HOME'Sが公表する市場データを見ても、大規模公園から徒歩5分圏内に位置するマンションや戸建ては、同駅の平均相場と比較して5〜10%程度のプレミアム価格で取引される傾向が根強い。
特に強みを発揮するのが、リセールバリューの底堅さだ。駅近物件の価格が高止まりする中、駅から多少離れていても「目の前が永久眺望の緑地」という希少性は、築年数が経過しても価格が崩れにくい。国土交通省が進める「都市計画」のガイドラインにおいても、緑地周辺は用途地域の規制によって高層建築物が乱立しにくく、将来的な日照権や眺望が保護されやすいという法的アドバンテージがある。
子育て世帯にとっても恩恵は大きい。車道を通らずに安全な遊び場へアクセスできる動線、四季折々の自然と触れ合える環境は、子どもの情緒形成において代えがたい価値を持つ。だが、データ上の「人気」と「日々の快適さ」が完全に一致するとは限らない。資産としての数字だけに目を奪われると、住環境・ライフスタイルの実態に潜む落とし穴を見落とす。