暴力と熱狂が極限に達する一方、社会的な包囲網は着実に狭まっていった。1990年代から2000年代にかけて、警察庁交通局は道路交通法の改正を重ね、集団暴走行為への取り締まりを劇的に強化。2004年の法改正による「共同危険行為等の禁止」の厳格化と直接検挙方針の導入は、暴走族の活動に致命的な打撃を与えた。
暴走族文化やヤンキーカルチャーの構造変遷に詳しい評論家の岩橋健一郎氏も指摘するように、取り締まりの厳罰化と車両押収の迅速化は、集団維持のコストを一気に跳ね上げた。さらに、携帯電話やインターネットの普及に伴い、若者たちのコミュニケーション手段が路上からデジタル空間へと移行。夜の路上で仲間と連帯し、アイデンティティを誇示する必要性は急速に薄れ、巨大レディース組織は必然的に解体と縮小の道を歩むことになった。