2026年の宇宙開発は、地政学と経済権益が激突する現場だ。
アメリカのスペースX社が「ファルコン9」や「ファルコンヘビー」で低コストかつ高頻度の打ち上げ市場をリードするなか、中国は国家主導のスピード感で対抗している。長征7Aの稼働によって、中国は自国の戦略衛星を他国に依存することなく、タイムリーに静止軌道へ配置する能力を確固たるものとした。
欧米の安全保障アナリストが警戒を深めているのは、デュアルユース(軍民両用)の可能性だ。静止軌道に投入される高解像度光学衛星や電波情報収集衛星、さらには他国の衛星に接近して監視や妨害を行うとされる実験用アセットの打ち上げにも、長征7Aの輸送能力が投入されているからだ。宇宙空間の透明性と安全保障を巡るルールづくりにおいて、中国の圧倒的な輸送力は強力なカードとして機能している。