野崎守という男の恐ろしさは、彼が国家権力の刃であることを1秒たりとも忘れさせない点にある。ターゲットを追い詰める際の観察眼は鋭利なナイフそのものだ。だが、視聴者の心を捉えて離さなかったのは、その冷徹さの裏に潜む人間的な温もりと、どこか泥臭い情熱だった。
バルカ共和国での逃亡劇で見せた判断の早さ。大使館へ突入するあの豪快なドライブテクニック。命がけの極限状態であっても、彼は決して仲間を見捨てない。冷酷なシステムの一員でありながら、個人の感情と正義感を失わないその佇まいに、私たちは憧れを抱かずにいられないのだ。