台北の松山空港を飛び立った直後、台北発高雄行きの便は巡航高度へと順調に上昇を続けていた。異変が起きたのは、山間部に位置する苗栗県造橋郷の上空である。高度約2万フィート。突然、客室の気圧を維持していた胴体底部が一気に破裂した。爆破に酷似した衝撃波が機体を襲い、尾翼周辺の制御系統は一瞬にして破壊された。
目撃者の証言によれば、空から轟音とともに巨大な金属片が降り注いだという。機体は空中分解を起こし、炎と煙を吹き出しながら造橋郷の山林へ墜落。生存者の望みは瞬時に絶たれた。山肌に散乱する手荷物や座席の光景は、現場に駆けつけた捜索隊の記憶に悪夢として焼き付くこととなった。