堤義明氏といえば、日本屈指のリゾートネットワークを誇るプリンスホテル、首都圏の大動脈である西武鉄道、そして黄金時代を築いたプロ野球・西武ライオンズの生みの親であり、実質的な最高権力者でした。
では、現在の西武ホールディングス(西武HD)と堤氏の関係はどうなっているのでしょうか。実態は「完全なる絶縁」です。
- 経営との完全な切り離し:西武HDは2014年の再上場を経て、コーポレートガバナンス改革を推進。創業家支配から脱却し、機関投資家を重視する近代的な上場企業へと変貌を遂げました。
- 資産の保有形態の変化:2022年にはシンガポール政府系投資ファンド「GIC」へ複数のプリンスホテルやリゾート施設が売却されるなど、かつて堤氏が自負した「土地を持ち続ける経営モデル(アセット保有型)」から「運営特化型(アセットライト)」への大転換が行われました。
- 西武ライオンズへの関与:1979年の球団買収以降、堤氏の強い号令のもとで数々の日本一に輝いたライオンズですが、現在の球団経営に堤氏の意思決定が反映される余地は一切ありません。
堤氏が築き上げた壮大なリゾートや交通インフラの枠組みは今なお日本各地に息づいていますが、そこに創業者の影を留めるシステムは完全に刷新されています。