「善意の寄付が不透明な天下り団体の維持費に消えているのではないか」――こうしたネット上の疑念に対し、公式統計と財務諸表を検証すると明確な資金フローが見えてきます。緑の募金運動を中央で統括するのは公益社団法人国土緑化推進機構であり、各都道府県の緑化推進委員会と連携して募金活動を展開しています。
年間に集まる募金額は全国で約20億円前後にのぼり、その使途は「緑の募金による森林整備等の推進に関する法律(緑の募金法)」第8条によって厳格に規定されています。具体的な資金配分比率の平均値は以下の通りです。
集められた寄付金のうち、およそ70%は募金が行われた都道府県内の地域活動へ直接交付されます。これらは地域の里山保全、学校や公園の緑化運動、森林ボランティア団体への活動助成、苗木の配布などに使われており、「集まったお金が中央へ吸い上げられて消える」という言説は制度上の実態とは異なります。残りの約20〜25%が国内外の大規模な植樹運動や熱帯林再生などの国際協力事業、防災林整備へ配分され、管理運営経費(事務費)は全体の5〜10%前後に抑えられています。
現場レベルでの具体的な成果としては、台風や豪雨で荒廃した水源林の間伐作業、巨樹・名木の樹木医による治療、小学校での「緑の少年団」活動を通じた環境教育資材の購入などが挙げられ、目に見える形で森林インフラの維持に寄与しています。