観光で訪れる際に最も注意しなければならないのが、「海岸にある星の砂の無断持ち帰り」に関する法規制と現地ルールです。
竹富島のカイジ浜や西表島の星砂海岸一帯は、環境省が指定する西表石垣国立公園の特別地域に指定されています。自然公園法第20条に基づき、国立公園の特別地域内において鉱物や土石、動植物の採取・損傷は厳格に規制されており、砂浜の砂を勝手にビニール袋やペットボトルに詰めて持ち去る行為は法令違反に問われる可能性があります。
現地のビーチ入口には「砂の持ち帰り禁止」を明記した多言語の看板が設置されており、レンジャーや自治体による巡視活動も行われています。土産物店や空港で市販されている小瓶詰めの星の砂は、採取が法的に許可された区域で採取されたものや養殖・専用採取ルートを経た正規流通品であるため購入して持ち帰ることに問題はありませんが、「海岸に落ちている砂を自分で持ち帰ることは原則不可」であることを認識しておく必要があります。
さらに深刻なのが、星の砂の割合が年々減少しているという環境データです。琉球大学をはじめとする海洋環境学の研究調査によると、過去数十年で多くの砂浜における有孔虫殻の含有率が低下傾向にあることが指摘されています。減少の要因としては以下の複合的な背景が挙げられます。
- 過度な観光圧:無許可の持ち帰りや多数の踏み荒らしによる殻の粉砕・摩耗の加速
- 沿岸開発と赤土流入:有孔虫が生息基盤とする海藻・海草群落が土砂流入により減少
- 海水温上昇と海洋酸性化:炭酸カルシウムの殻を形成する有孔虫にとって、近年の高水温や酸性化が生育阻害要因として作用