結論から言えば、「開発者の母・キミエさん」という人物自体は架空の存在ではない。富山常備薬の創業者である大谷彰氏の実母が「キミエ」さんであり、彼女が長年シミやそばかすに悩んでいたこと、そして母を喜ばせたいという想いから商品開発がスタートしたという経緯自体は、企業側が公式に公表している事実である。
それにもかかわらず、なぜ「嘘」という言葉がこれほどまでに定着してしまったのか。最大の要因は、過剰なまでにドラマ性を強調したテレビCMの制作スタイルにある。再現ドラマの過度な演出や、長年にわたり繰り返された高頻度の放送が、現代の視聴者の「誇大広告警戒センサー」を刺激してしまったのだ。ネット掲示板などでは「演じている女優が本物の母親に見えない」「感動商法が鼻につく」といった声が相次ぎ、いつしかストーリーそのものが偽物であるかのような都市伝説へと変貌を遂げていった。