地球外への展開を急ぐ宇宙開発産業にとっても、この技術は探査の限界を破るゲームチェンジャーだ。米国航空宇宙局(NASA)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)をはじめとする主要機関は、火星有人探査などの長期ミッションに向け、クルーを代謝抑制状態へ導入する技術研究を精力的に進めている。
宇宙飛行士が冬眠状態で移動できれば、消費する食料や水、酸素の量を削減できる。船内空間の節約だけでなく、隔離生活による精神的ストレスの解消、宇宙線被ばくの影響軽減、さらには筋力衰えの抑止効果まで期待される。打ち上げ重量の削減は輸送コストを激減させ、民間宇宙ビジネスの急速な加速につながる。