ブラジル・リオデジャネイロの貧困街で育ち、ストリートサッカーで磨いた直感と技術を携えて1977年に来日した少年。それがすべての始まりだった。言葉の壁、文化の違い、そして怪我との闘い。異国の地での苦難は想像を絶するものだったが、彼の心を突き動かしたのはサッカーへの無償の愛と、手を差し伸べてくれた日本人への深い感謝だった。
1989年の日本国籍取得は、単なる手続きではなかった。「日本代表をワールドカップに行かせる」。その一心で決断した帰化の裏には、故郷ブラジルへの郷愁を断ち切る強い覚悟が存在した。日本サッカー界の伝説・ラモス瑠偉の軌跡を振り返る時、この帰化決断の裏側にある並々ならぬ情熱こそが、日本代表の青いユニフォームに魂を吹き込んだ原点であることがよくわかる。