「花吐き病」における最も象徴的な症状は、成就しない片思いに悩まされる者が、激しい咳とともに様々な種類の花弁や大輪の花を口から吐き出してしまう点にある。片思いのこじらせによって体内で花が成長し、進行すると喉や肺が花で満たされて呼吸困難に陥るという、恐ろしい死の危険さえ孕んでいる。
この創作上の奇病には、ファンの間で共有されている緻密な裏設定が存在する。最も有名な治癒条件は「想い人と両思いになり、キスを交わすこと」だ。しかし一方で、外科手術によって体内の花芽を切除するという残酷な治療法も提示される。手術を受ければ命は助かるものの、代償として相手への恋心や感情そのものを完全に失ってしまうという切ないトレードオフが伴う。また、吐き出された花に触れると他者へ感染するという設定が付け加えられるケースもあり、物語に濃密なサスペンスをもたらしている。