物語批評および心理学的アプローチからティーダの正体を分析すると、本作は「自己の存在証明」と「親子の愛憎・葛藤からの脱却」を描いた極めて成熟したビルドゥングスロマン(成長小説)であることが分かります。
ティーダは偉大すぎる父ジェクトへの劣等感と反発を抱えて生きてきました。しかしスピラでの過酷な旅を通じて父の不器用な愛情と孤独を知り、最後には父を超えて世界を救う存在へと昇華します。「たとえ自分が創られた夢の幻影であったとしても、ユウナを愛し、仲間と共に戦った感情と経験だけは本物である」という彼の結論は、現代社会における自己肯定感の獲得や、心理的バウンダリー(親と子の健全な境界線)の確立という普遍的なテーマに直結しています。