ネット上では「日本政府が二次元表現を法律で禁止しようとしている」「特定の宗教団体や政治団体の圧力だけで動いている」といった言説が散見されますが、これは構造の半分しか捉えていません。
真の決定打は、「金融インフラの寡占」と「ESG投資基準」です。グローバル決済ネットワークは世界で数社に集中しており、各社は機関投資家から「人権・倫理リスクの高い取引を排除しているか」を厳格に評価されます。カード会社にとっては、日本の二次元市場の売上よりも、欧米市場で不祥事や法的追及を受けた際の企業価値毀損リスクのほうが遥かに致命的です。
また、「成人向け作品そのものが法律で一律禁止された」というのも誤解です。法的に販売が認められているコンテンツであっても、私企業である決済代行会社やApp Store・Google Playなどのプラットフォーマーが自社の規約改定(プライベートガバナンス)によって取り扱いを拒否しているのが実態です。公的な法規制ではなく、私企業による実質的な市場排除が進んでいる点こそが、現代の規制問題の最も複雑な盲点といえます。