幻のラジオ体操第3の真相|難しすぎて廃止の理由とうつ病予防効果

幻のラジオ体操第3の真相|難しすぎて廃止の理由とうつ病予防効果

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封印されたラジオ体操第3が半世紀以上の時を経て再び光を浴びることになったきっかけは、龍谷大学社会学部(滋賀県大津市)の安西将也名誉教授と井上辰樹教授らを中心とする研究グループの執念に満ちた調査でした。地域福祉や健康づくりの研究を進めるなかで「過去に埋もれた優れた運動プログラム」に着目したチームは、ラジオ体操第3の存在を突き止め、学術的な復刻プロジェクトを立ち上げます。

復刻への道のりは困難を極めました。NHKやかんぽ生命の保管庫にも完全な映像資料は残されておらず、手掛かりは当時の文部省が発行した簡易な解説冊子の図解イラストと、断片的な証言のみでした。しかし、研究グループは粘り強い調査の末、初代・二代目の伴奏が吹き込まれた貴重なSPレコード(音源)を発掘することに成功します。この音源をもとに、体操指導の専門家とともに1コマずつの挿絵と楽譜のリズムを照合し、失われていた連続動作をミリ単位で忠実に再構成していきました。

2013年から2015年にかけて復刻の成果が学会やメディアで発表されると、そのダイナミックで洗練された動きは日本中に大きな衝撃を与えました。龍谷大学が制作した解説本や音源CD、YouTube公式チャンネルなどで公開された実演動画は瞬く間に拡散。「本当にこんな体操があったのか」「現代のエアロビクスやフィットネスよりも完成度が高い」と、テレビ各局の情報番組やSNSで爆発的なリバイバルブームを巻き起こしたのです。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。