SNSや料理掲示板に投稿されたリアルな声をリサーチすると、「レシピ通りに作ったはずなのに、底のご飯が硬くて上がベチャベチャになった」という炊きムラに関する悲痛な叫びが散見されます。この現象の裏付けを取るべく、家庭用マイコン・IH炊飯器の熱対流構造を検証したところ、ひとつの明確な原因が浮かび上がりました。
炊飯器内部では、加熱開始とともに釜底から中央へ向かって激しい熱対流が発生します。しかし、炊飯前に具材と米をスプーン等で完全に混ぜ合わせてしまうと、具材の重みと粘度によって米の対流が完全にブロックされてしまいます。その結果、熱が均等に行き渡らず、下層は焦げ付き、上層は生煮えという最悪の炊きムラが生じるのです。
炊飯器調理における鉄則は、「米と調味液を合わせた後、具材は米の上に平らに広げるだけで絶対に混ぜない」ことです。具材を対流層の上に乗せておくことで、沸騰時の自然な蒸気循環によってきのこにじっくり火が通り、抽出されたエキスが重力とともに米の一粒一粒へ均等に染み渡っていきます。
さらに、NHKの料理番組等で活躍するベテラン料理家が実践する裏技として名高いのが、「きのこの乾煎り(からいり)」です。生のまま入れるのではなく、フライパンに油を引かずに強火で1〜2分サッと乾煎りし、表面の水分を少し飛ばしてから釜に加えます。このわずか2分の手間で余分な水分が蒸発し、きのこの香ばしいアロマ成分が凝縮。炊き上がりの水っぽさを100%防ぎながら、料亭のような香りを手に入れることができます。