実際に海外でドコモ回線を利用した旅行者や出張者の現場検証からは、デジタル端末特有の「無意識の通信」が招くトラブルの生々しい実態が浮かび上がります。
都内のIT企業に勤務する30代男性は、昨年のタイ出張時の顛末を次のように語ります。
「ホテルの無料Wi-Fiに接続していたつもりでした。しかし、夜間にルーターの瞬断が発生し、端末が自動的にモバイルデータ通信へと切り替わっていたのです。世界そのままギガの終了時刻を過ぎていたため、知らないうちに『世界ギガし放題』が起動。さらに深夜に日本からかかってきた急ぎの業務電話に20分ほど対応した結果、通信料と通話料を合わせて数万円の追加出費となりました。明細を見るまで全く気づきませんでした」
また、知恵袋やコミュニティフォーラムで頻発しているのが、「バックグラウンド通信によるギガの枯渇」です。写真アプリのクラウド同期(iCloudやGoogleフォト)やOSの自動アップデートが海外滞在中に作動し、日本で購入していた国内プランの容量が渡航2日目で上限に到達。通信速度が極度に低下し、現地で世界そのままギガの追加手続き画面すら開けなくなったという事例が相次いでいます。物理的なSIMカードを差し替えない手軽さがある反面、国内と同じ感覚でスマートフォンを放置することのリスクが浮き彫りとなっています。